
妊娠中はこれはまずいといったような自覚症状がないのに、早産を引き起こすような病気があります。
その一つに細菌性膣炎があります。
細菌性膣炎はカンジダ症やトリコモナス症のように特別な菌が原因でなく、身体の中に常在している菌が免疫力の低下などで、過剰に増えてしまうことによって引き起こされます。
健康な状態では、膣内にいる乳酸菌の働きで酸性に保つことで細菌が増えるのを防いでいます。
ところが、いったん乳酸菌の働きが弱くなって、細菌性膣炎になるとその他の病原菌にも感染しやすくなります。
妊娠中の細菌性膣炎に気をつけたい時期は、妊娠12~36週です。
今回は、妊娠中に細菌性膣炎になるとどんな影響があるのかをご紹介します。
妊娠中に細菌性膣炎になるとどんな影響がでるの?
細菌性膣炎はかかっても、症状がないこともあり気が付かない場合があります。
妊娠中に細菌性膣炎になるとどんな影響がでるのでしょうか?
・子宮頸管炎になることも
細菌性膣炎の症状がひどくなく放置していたり、気付かなかった りすると細菌の感染が上方への進み子宮頸管に達して炎症を起こす場合があります。
これが子宮頸管炎です。
細菌の種類によって白色、黄色、黄緑色のうみのようなおりものの症状がありますが、自覚症状がない場合もあります。
クラジミア感染が原因の場合もあります。
・絨毛膜羊膜炎(じゅうもうまくようまくえん)
絨毛膜と羊膜というのは、赤ちゃんを包んでいる卵膜のことをいいます。
細菌性膣炎の原因なっている細菌が、卵膜から子宮まで達して炎症を起こした状態を絨毛膜羊膜炎といいます。
絨毛膜羊膜炎になると子宮を収縮させたり、子宮頸管が柔らかくなる、卵膜が弱くなり破水が起こりやすくなります。
このようなことが重なると早産になる可能性があります。
早産の原因で最も多いのが細菌性膣炎による絨毛膜羊膜炎といわれていますので、早期発見、早期治療が大切です。
・切迫早産や早産の可能性
細菌が増殖したことによる以上の細菌性膣炎、子宮頸管炎、絨毛膜羊膜炎は、いずれも切迫早産や早産の可能性が高まります。
・死産の可能性
羊水や胎盤を通して赤ちゃんに細菌が感染したり、分娩前に胎盤がはがれてしまい死産や母体死亡にも及ぶことがあります。
妊娠時の細菌性膣炎の予防法
妊娠していることが分かったら、妊娠時の定期検査を受けて細菌性膣炎になっていないかを検査することも大事です。
細菌性膣炎は炎症が分かった時点で早めにに治療すれば、早産のリスクも下がります。
早産の一番の原因となる絨毛膜羊膜炎がかなり進んだ状態では、早産になるリスクが高くなるので、早期発見と早期治療が大切です。
産婦人科で細菌性膣炎と診断されると、膣錠が処方されます。
これによりおりものや臭いは、早い段階で解消されますがすぐに再発する可能性があります。
これは、細菌性膣炎を起こすと容易には膣内の善玉菌・悪玉菌のバランスが元に戻らないことによります。
再発しないようにする予防のポイントを紹介します。
・洗い過ぎないようにする
善玉菌が膣内を清潔にしようとしているのに、悪玉菌に気を取られキレイにしたいとの思い込みでゴシゴシ洗うと善玉菌まで洗い流してしまいます。
デリケートゾーンは、中まで洗おうとするのではなく表面をそっとなでるようにして洗います。
ウオッシュレットは使わない方がいいとする方もいます。
・膣内の乳酸菌を増やすためにサプリで乳酸菌を摂る
膣内の代表的な善玉菌はデーデルライン桿菌と総称して呼ばれる乳酸菌です。
デーデルライン桿菌は、膣内を健康に保つためになくてはならない善玉菌で、この菌が膣内を清潔にしてくれています。
細菌性膣炎では、この菌が少なくなっているので、デーデルライン桿菌を配合したサプリを摂ることです。
デーデルライン桿菌の一番身近なものは、アシドフィルス菌です。
乳酸菌サプリなら妊娠中でも、安心して利用できます。
アシドフィルス菌が配合された乳酸菌サプリには、「乳酸菌革命」、「ビフィーナS(スーパー)」などがあります。